加賀友禅の黒留袖
2013/05/27先日納品しました、黒留袖を御紹介!
この表現力!
筆で描くのではなく、ケーキ屋さんのクリーム絞りのような和紙を丸め、先っぽから、糊を糸状に
生地の上に置いてゆき、それが防波堤となり、染料同士が混ざらぬようになります、そしてこの
糊の防波堤こそが手描き友禅の一番重要な部分で、
糊の線の勢い、柔らかさ、均一さ、が求められます。
使用される糊は、現在は化学樹脂の糊を使用する場合がほとんどになりますが、
この留袖の友禅糊は真糊(まのり)といい、もち米を炊いて、亜鉛、塩、糠、石灰などを混ぜ、
和紙の筒紙に入れ糊置きしてゆきます。
化学樹脂糊は扱いやすく、線も真っ白で、細い線が表現しやすいのですが、
真糊は糸目の線が「糊焼け」といい、微妙にセピア色になります。
この枯れた味わいには敵わないのではないかと思います。
加賀友禅は分業制の京友禅と違い、すべて一つの工房または作家が手掛ける、一貫作業になります。
よって、染めすべての事に精通している必要もあり、大変な世界です。
できあがるまでには、
下絵→糊置き→色挿し→糊伏せ→地色染め→蒸し→洗い
この工程一つ一つが非常に専門的であり、高い技術と熟練さが必要なのは
言うまでもありません。
良い物、手がかかった物は何時間、何日見ていても
飽きません。見るたびに新たな良さが出てきます。
しかし、最近の染め物、織物は値段優先の
品物が多く、柄は良いが、なんとも
お粗末な品物が多すぎるような気がいたします。
この留袖は昭和50年~60年頃の作品でして、
仕立て上がった状態で、入手しました。
それを、綺麗に手入れをし、お客様の寸法に合わせて
仕立て替えをし、このたび納品させていただきました。
本来130万~180万円位する着物なのですが、
10分の1位のリーズナブルな価格で提供させていただきました。
当店では、こういった本物の染織品を多数集めており、
価値をおわかり頂ける方に、このようにリーズナブルに
販売しております。
by 山形は寒河江の「きもの大長」 おやじ
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